ワイが文章をちょっと詳しく評価する！【238】
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４０点〜５９点 物語性のある読み物！
６０点〜６９点 書き慣れた頃に当たる壁！
７０点〜７９点 小説として読める！
８０点〜８９点 高い完成度を誇る！
９０点〜９９点 未知の領域！
満点は創作者が思い描く美しい夢！
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前スレ
ワイが文章をちょっと詳しく評価する！【237】
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1659739413/
VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvvv:1000:512:: EXT was configured 見るからにふわふわのパンケーキの上では四角いバターが半分ほど溶けて、パンケーキの甘い香りとマリアージュして私の食欲を大いにそそった。
似非山田はコーヒーカップをかかげると、私に進学おめでとう、と私の持っているティーカップをたたいた。くい、と似非山田につられて私も紅茶を一口含むと、なぜだか急激に眠気に襲われた。瞼に普段の何倍もの重力がのしかかり、逆らい難い睡魔に私は机に倒れこんだ。
私は辛うじて最後に視界を開くと、美味しそうに私のパンケーキを食らう中年のクズ教師をこの目に焼き付けて夢の中へと落ちていった。 それから、いったいどれくらい時が経っただろうか。
気が付くと私はどことも知れぬ体育館らしき場所のパイプ椅子の上で目を覚ました。目の前の講壇には男性物のスーツを着たゴリラが立ち、流暢な日本語を講話を垂れている。
霞がかった意識のまま話を聞くに、どうやらここは例の私立芳賀学園であり、その学園とは選ばれた者のみ通うことのできる私立大学であること。全国から選出された我々学生は通常の教育から隔離して、特別な才能を伸ばすことを目的として教育カリキュラムが組まれているとゴリラは力強く語っていた。ゴリラの逞しい胸にはタスキがかけられ、そこには『わたしが学園長！』と書かれている。
紅白幕を掲げてあることから、どうも入学式だと私は推察した。
隣を見ると偉く利発そうな眼鏡女子が座っている。あまりの喉の渇きに、私はしわがれた声で彼女に一口の水を請う。彼女は怪訝な眼差しを向けたが、私の声からも尋常ではない状態だと察したのだろう、自らの飲みかけであろうペットボトルをご丁寧に除菌シートでふき取って私にくれた。なんと親切なことか、私になんらかの菌が感染してはいけないと気をつかってくれたのだ。 私は感動して水をこくりと飲み込んだ。全身に水分がいきわたるようであった。私が彼女にペットボトルを返そうとしたが、彼女はそんな汚染された液体は滅菌して蒸留しなおさなければ飲めたものではないと小声で断った。
彼女なりの照れ隠しなのだろう。私のようなイケメンと間接キスなどと入学初日からしようものならば、周囲の女子たちの悋気のはけ口としていじめられる可能性もある。なかなかに頭の回転の速い女性である。私はそのまま水を飲みほした。
彼女にあの演壇のゴリラはなんなのか尋ねると、一言『ゴリラね』と答える。
そうか、あれは幻覚ではないのだ。私は安心した。
ゴリラは演壇で力強く我々に檄を飛ばすと、ドラミングして演説を締めくくる。そして隣にいた秘書のような女性にバナナを所望し、丁寧に皮をむいて渡されたそれを一口に食べた。よく見ると秘書の胸はＤカップである。間違いなく私の面接を担当した女性である。 私の脳裏を似非山田とのツーショット写真、それから似非山田がパンケーキを貪る姿がかすめ、衝動的にペットボトルを握りつぶした。しかし、なぜこのような強硬な手段を似非山田はとったのだろうか。
私はこの大学に入学することにやぶさかではない。喜んで荷物をまとめて新たな新生活へと飛び出していただろう。そうまでしてあの男はパンケーキを食べたかったのだろうか。だとしたらなんとも意地汚い大人である。
だが、私はこの時はまだ知らなかったのである。この恐ろしい離島の真相を。私立芳賀学園という伏魔殿の闇の深淵を・・・・・・ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
