いやぁ、昔福田先生にお世話になっていたものですが…
ここに書かれている、虚勢的な話はたしかにその通り。その通りだけど…
20代末から30半ばくらいまでの「奇妙な廃墟」「日本の家郷」「遥かなる日本ルネサンス」「甘美な人生」まではやはり、とても素晴らしく高級なものだよ。
その後の政治評論や映画評論はまぁ、見事に…
ここまで本質や見通しを外すか、というものが多かった。あとしょーもない、ゼミ出身作家を贔屓した批評と。とりわけ佐藤和歌子や寸。
まぁそれでも筆力で読ませた。
大学人になったのは良かったが、そこで書くのをセーブすればよかった。
が、消費と飲酒のために、書き散らして散々に言われる…というところまでが、この人の作品か。しょーもないといえばその通りだが、なかなか誰にでも出来ることでも無い。

福田風に書くなら、神経内科に通っている現在、もう自殺でもしてもらっても構わないし、また生きてもらっても構わないだろう。

ここからの、枯れた作風で書いてみせる、かつてのように勢いだけで書かない、という、本当の体力、しぶとさってものを、みせてくれてもいいものだ。

みせてくれなくともよいが、今の論壇、ちょっと寂しくはある。