子どもたちは学校でも塾でも、ぼーっとして何もできない、スポーツもしたくない、動きたくないと言っていました。
残酷な言い方になるけど、あの周辺は人は住んではいけない所になってしまった。でも、僕たちが住んでいる人に
出ろとは言えない。『福島の食べ物を食べて応援しよう』というキャンペーンもありますが、これもどうかと思います。
仮に市場に出回る食品自体は大丈夫だとしても、土の汚染はすごいですから。農作業中は、土が肌に触れたり、
器官から吸い込んでしまったりもします。そういう意味では農作業に携わる人の被ばく量はものすごいものに
なります。ただ、11年に各地で高い線量が検出されたり、翌年には米の作付が禁止されたりしましたが、僕は福島で
一番問題なのは漁業だと思いますね。これから先、何十年経っても漁業復活は無理なのではないかと思います」

 ──東北地方の海産物の多くを今後食べられなくなる可能性も。
雁屋「恐らく食べられなくなるでしょうね。どうしようもない、とんでもない被害ですよ。山の幸も川の魚も…」(抜粋)