久しぶりにまじめな準学術書を出す。
『プラグマティック精神療法のすすめー患者にとっていい精神科医とは』(金剛出版)という本で、私なりに精神療法の基本的な考え方と使い方を伝えた本だ。プラグマティックの名のように実用的な本だと信じているし、患者さんにとっても心のケアを受ける上でのガイドブックになると自負している。
実は、その発刊に伴って、日本の自殺研究の大家の高橋祥友先生と「コロナとメンタルヘルス」についてのオンラインイベントを行う。
高橋先生のメンタルヘルスについての造詣はすごいのでお金はかかるがもとは取れると信じている。ぜひ見てほしい。
さて、私のユーチューブチャンネル、和田秀樹チャンネルのゲストに、小学校から中高にかけての親友で、拙著『灘校物語』の準主役である中田考さんにゲストにきてもらった。
日本を代表するイスラム学者であるだけでなく、宗教史にも詳しい中田氏は圧倒的な背景知識で、ロシアとウクライナの過去からの関係を含めて解説してくれる。近々アップされるはずなのでぜひ見てほしい。
中田さんの話を聞いて痛感したのは、欧米人のアジア人差別だ。
ロシアはチェチェン戦争のときは、今のウクライナ攻撃の比でない市民無差別攻撃を行い、20万人の民間人が殺害されたとされる。
人口100万人前後の国だから5人に一人が殺されたことになる。
それに対して、欧米各国の制裁は現在のウクライナ戦争に対する制裁と比べたら屁のようなものだったし、残虐な映像も今日ほど流されない。
チェチェン人が可哀想とか義捐金を送ろうなどという話はほとんど日本で聞かなかった。
実際、欧米のメディアがウクライナの現地から中継をするときに、レポーターは「ここは、シリアやパレスチナでないのです。ヨーロッパの中でこのような惨事が起こっているのです」などと平気でいうらしい。
彼らの発想では、シリアやパレスチナで一般市民が爆撃されても問題ないが、ヨーロッパではダメだということなのだろう。