ここでちょっと面白いのは、
「(人数に関係なく)大笑いする事」という使い方がうっかり辞書に載ってなかった、というのも昔からなんだよね。
それがなぜ、2000年代になってから急に「誤用ネタ」として有名になったのか?

昔の大人には
「辞書屋だって神様じゃないし、載せ忘れた言葉だってあるだろう」とか、
「辞書で『正しい日本語』が決まるわけではないし、辞書に載っていない言葉が間違いだとは限らないだろう」
といった常識的な感覚があって、「辞書に載っていない」という事をあまり問題だと考えていなかった。

しかしインターネットの時代になり、子供から頭の悪い人までみんなSNSを使う様になると、
いわゆる「情弱」の間で「辞書に載っていない言葉は間違った言葉」という誤った考え方が広まってしまい、
その誤った思考をベースに「『爆笑』を『(人数に関係なく)大笑いする』意味で使っている人を批判する」という社会問題が顕在化してしまった。

つまり、この問題は「言葉の意味の変化」とか「言葉遣いの変化」によって起こったものではない。

変わったのは(そして間違っていたのは)、辞書の使い方の方だったんだよ。