本紙東京編集局長の乾正人氏は、「トランプと金正恩による『2人のビッグショー』は、舞台を平壌、ワシントンに移してまだまだ続くだろう。
問題は、ショーの木戸銭がべらぼうな額になりかねないことだ。『北朝鮮が朝鮮半島の完全な非核化を約束した』といっても約束は破られるためにある。
第一、日本人拉致問題解決への道筋は一向に見えなかった。このまま事態が進めば、金正恩体制を維持するためのツケが日本にまわりかねない」
(13日付東京発行本紙)と指摘するが、その通りである。このままでは大きなツケが日本に回ってくる。

 米国も北朝鮮も、他国の利益を犠牲にしても自国の国益を極大化するような一種の帝国主義外交を展開している。日本が異議を申し立てなければ、
事態は現状のまま進行する。

 トランプ氏の「取引外交」が日米同盟に悪影響を与えることを懸念する米国の政治家、外交官、軍人も少なからずいる。これらの人々を味方に付けて、
巧みなロビー外交を展開することが日本に求められている。

 その意味でも、杉山晋輔駐米大使ら在米日本大使館の外交官が、果たす役割が極めて大きくなる。