「ポップ地政学」本の掲載地図批判――主に高校地理レベルの内容の誤りについて――
近藤暁夫(愛知大学)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajg/2018s/0/2018s_000334/_pdf

対象とした書籍に掲載されている地図の枚数は,地図帳形式や
「図説」を名乗る数冊を除けばまちまちで,10枚以下の本も少
なくない .
例えば, 地政学論壇の第一人者とされる佐藤優の著書では対象とした
5冊合計で13枚の地図しか掲載されていない.
ハウスホーファー(1938)『太平洋地政治学』には47枚,
マッキンダー(1942)『デモクラシーの理想と現実』には
32枚の地図(主題図)が掲載されていることを考えると,地政学本として
は異例の少なさといえる.

これらの書籍に掲載されている地図(主題図)の表現や内容については ,
基礎的な 事実レベルでの誤りが多く,ほとんど 科学的な批判に耐えられる水準にない
.例えば,山内昌之・佐藤優『新・地政学』(中央公論新社 2016)では
「南スーダンの位置にケニアが描画」され…

少なくとも,掲載されている地図の内容が高等学校地理修了水準未
満の誤りを 多々含んでいる以上,これらの書籍 が「地理を下敷き
にした科学」の名を名乗ることは許されないであろう


エセ科学と、アカデミズでいわれたな。新地政学を読んでみようw