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□3.11慟哭の記録」P.92〜93
そんな所へ腕に新聞社の腕章をつけカメラを持った人が体育館に現れたのです。
(略)私は、私達の状況を早くみんなに知らせて助けに来て欲しいと思いました。 しかし

少し時間が経つと今度は、私達には何の情報もないのに取材されて、私達にも情報を得る権利がある、 そんなふうに思えてきて

思わず記者に声を掛けたのです。

■美しい顔
この体育館に、東京のテレビ局の腕章をつけた人がカメラを持って現れたのだ。
それが、すべてのはじまりだった。
外部の人がはじめて入ってきた、これでようやく情報がもらえる。そう思って私たちは飛びついた。 するとマイクをあてがわれ

たのは私たちのほうだった。 しかし、私たちには、悔しいとか屈辱的だとか、そんなぜいたくな気持ちを抱いている暇などなか

ったのだ。 被災者こそがまず真っ先に情報を得る権利があるんだなどということを偉そうに言ってる暇はこれっぽっちもなかっ

たのだ。

■美しい顔 改稿
この体育館に、東京のテレビ局の人間が姿を見せたのだった。
(略) しかし、私たちには、悔しいとか屈辱的だとか、そんなぜいたくな気持ちを抱いている暇などなか

ったのだ。いつだって 被災者こそがまず真っ先に情報を知らされるべきだなどということを偉そうに言ってる暇はこれっぽっち

もなかったのだ。