母子家庭の娘と母親の関係は不健康なものに発展することがしばしばある。年頃の娘を金銭、行動、様々な場面で支配しようとする姿、またそれを進んで受け入れる娘の姿はグロテスクだ。

僕は営業マンで彼女とは営業先で出会った。
二年間の交際を経て、僕は彼女に結婚を申込んだが、彼女の母に結婚を反対されて、それでもと彼女の母と一対一で話をして、絶対に許さない、と断られた。眠れないまま迎えた翌朝彼女から電話があり、私は母との関係を取るので別れたいと一方的に告げられた。

数年後に再開した時、私にとって最高の男性はあなただと分かったと言われ、それならと復縁した。僕は仕事で行き詰まりを感じている時期で、精神的な支えが欲しかった事もある。
その後数ヶ月の遠距離恋愛の後、彼女から母との関係を共有できる、彼女の最大の精神的支柱とも言える妹が急死した、という電話がかかって来た。彼女はひどく動揺した様子で泣きながら、しかし通夜や葬儀には顔を出さないでくれと言った。僕が母と鉢合わせになるからだ。
僕は数年前に母を取るので別れたいと告げられた事を思い出し、それを許していない自分と、母との関係を対等にするために何一つ努力をしていない彼女を発見すると、それを最後に突然連絡を絶った。

後悔はしていない。