>>78
それは従来の作業とノウハウを時間・空間を越えて統合しているだけです。
その面ではもちろん成果が上がります。実際に有効なノウハウです。
ただし、それがKMだと思い込んでしまうと、結局効率化のみを追い求め、
結局柔軟性や新規の事業への対応が遅れる組織になってしまう。ドメインや
業務が硬直化してしまう、という弊害が起きやすいのです。
ですので、規模的にリーダーの企業や日本でいう官庁などではその取り組みは
絶大な効果を上げますが、フォロワーの企業ではジリ貧の先送りにしか
ならない、という現象を産み出しやすくなってしまいます。
一般企業で勘違いしやすい事例としてKMと称して過去の成功の戦略を元にした
情報の共有化・ノウハウ化を進め、結局は時代遅れの過去の栄光をいかに
効率よく回転させるか、というかえって忙しくなるだけの戦略を取ってしまう
ものが上げられます。PCでいうとクロック数を上げているだけです。

そういった危惧をベースに「知」の創造という観点にたったものがKMです。
繰り返しますがごまっちさんのおっしゃることは一つも間違っていません。
ただ、それはKMではありません。多くの担当者・システム開発者もこの点
を勘違い、あるいは「楽だから」無視してひびきのいいKMという「言葉」を
使っていますが、それは単なる「言葉」による動機付けに過ぎません。
それがうまくいかないのでKMは今、行き詰まっている、というのが現状です。