千石は半ばあきれつつ、ニヤニヤと笑いながら舞台袖でその光景を見ていた。
(全く、大学生のクソガキ共が……どこにそんな大金を持ってるんだ)
 自分を抱く権利が高値で売買される光景に、奈津美は言いしれぬ恐怖を感じていた。
「い、いやあッ、いやよッ……ああッ、やめてッ……」
 そんな悲鳴もかき消されるほど、客席の盛り上がりは最高潮に達していた。
「いいのか、そんな値段で。今日のは、ただの亭主当てゲームじゃねえぜ……フフフ、今日はオマ×
コじゃなくて、アヌスでやるぜ」
「……な、何ですって……ヒッ、ヒイッ……そ、そんなの、いやあッ……ああッ、お願い、そんなこ
と、やめてッ」
 膠着しかけた競りがさらに加熱していく。
 奈津美は荒井の信じられない言葉に、円形ベッドから逃げようと夢中でもがいた。大勢の男に犯さ
れる……しかも、おぞましい肛門を……。