>>641続きw

俺はあわてて立ち上がった
浮浪者がそこに座り
「ん、ん、ん」と言いながら手を差し出した
口からぼろぼろと食べかすをこぼしながら
「兄ちゃん 500円貸してくれないかなあ」
どこかで拾ってきたのだろう
上着には○邊健人のネームが見える
破れて最初の文字は読めない
浮浪者が動くたびに垢のような酢の匂いがぷーんと鼻につく
俺は逃げるように去った
そして初めて自分の人生に目が覚めた
あれは自分だ未来の自分だ
小説家になろうと夢みたいなことを言ってる場合じゃない
早く就職して親を安心させなければ!
「おい、兄ちゃん」
遠くから浮浪者の声が聞こえた