「母ちゃん俺だよ俺!!」
「会社に使い込みがバレテ… 」
「保証人になってしまって… 」
男たちが電話で口々に言う。

俺が入ってきたのを一人が気が付き
「ああ、いいそのまま座って続けろ」
と立ち上がりかけたのを制した。

「ケン兄貴今月はかなりいい成績です」
「そうか」
俺は営業成績の棒グラフ見ながら金庫の扉を開いた。
「今月の取り分だ」
「へい」
「きちんと配分して領収書にハンコ押させろ」

何のことはない健人は若くして詐欺グループのボスに出世していた。