白いうさぎが走っていったんです。「大変だ、間にあわない」言うて、あわててはりました。赤いシルクハットの帽子かぶって、チョッキも赤で、時計見ながら。あれは懐中時計いうのかな? まぁ、それはええとして、生垣の下の穴に飛びこんだんで、俺も行かな!
――思て入っていったら、うわぁーって感じで真っ逆さまに落ちて、なんとか着地。ちっさい出口の向こうに公園があって噴水が見えるんですけど、狭て入られへんのです。頭つかえるし、無理や!
――思て泣いてたら辺り水浸しんなって、涙の海を泳いで流れ着いた砂浜に、ほかに四人ぐらいおったかな? でも一人は死んでて。ほしたら砂浜を、さっきの白いうさぎが走っていくんが見えたんで、ついていったんです。
 家が現れて、うさぎは家の中に入ったみたいなんで、中に入ったら『撮入おめでとう』みたいなシュークリームの箱が置いてあって、『わたしをおたべ』って書いてあんのよ。
 ふつう食べるわな。ほな、ぐんぐんおっきなってもう天井に届くかぐらい。それからなにをどうしたらそうなったんかまるで記憶にないんやが、今度はちっさなって七センチぐらい。ネズミと話せるぐらい。ほんでどうしよ?
――ってなって外に出て、話した相手が青虫やね。なんや言いよんやけど、聴きとれんかって、二つぐらい言うてくれとんはわかるんやけど、やっぱりどっちとも聴きとれんかった。ここで目が醒めて終わりかな。前>>848ああ、夢か――みたいな感じ。