1・主人公の描写(外見、名前)が出来ない。
 一人称で自分の事を「俺は明るい茶色の毛髪で、彫りの深い顔をしている」などと語りだしては物凄い違和感を覚えます。なるべく他者からの働きかけで主人公の存在を語りましょう。
 いきなり「俺の名前は憲輔、市立青山学園に通う高校二年生だ」などと物語が始まってしまったら、読者は茫然としてしまうでしょう。

 一人称で外見を自分で語らせる例。

 俺は会社に行く前に、自分の姿を鏡で確認した。スーツの皺を伸ばしているうちに、髪の毛がやたらと伸びている事に気づく。そういえば
この前も上司から『こんな髪で契約とってこれると思ってんのか?』と
注意されたばかりだ。髪の毛の事ぐらいで、いちいち文句言われるのは癪だから明日あたり散髪にいこう。
 今日は出社しなければならないので、少しでも短く見えるよう
にしよう。
「クシで髪のボリュームを押さえて、と」
 クシで髪の毛をかき上げた時、指が途中で引かかってしまった
。くそっ、俺は癖毛だから朝のセットがおそらく普通の髪質の
ヤツより二倍は時間がかかっているに違いない。