田中慎弥の「図書館準備室」という小説を読んでいたのだが、文章があまりにも読みづらすぎた。
冒頭三ページ目で下のような文章が出てくると、それだけで読む気が失せる。
しかしある意味では、文章が多少酷くてもそれ以外の構成なり技巧が優れていれば文学賞も夢ではないということか。

「ここから車で山の方へ三十分くらい走ったところの、祖父と早くに死んだ祖母が住んでいた家は
三人が同居するとなった時点で壊され土地も手離していたから、伯母とその家族が関西から、
他の親族が九州から帰ってきて、母が勤めている会社のこの社宅で法要となったのだが、
母の家の長女である伯母の家でしていればここまで気まずくはならなかったかもしれない。」