今までは、何かに悩んだり苦しくても、「作品として練り上げればいいんだ」と思えたから辛くなかった
でも、ワナビとしての限界を迎えたことで、とうとうその支柱もなくなる
小説というゴールを失った自分のあらゆる思考は、これからはただのゴミでしかなくなる生活が始まる

自分は小説を書く過程で、寛解した頭が再び狂うかというほど思考を研いだ
でも自分の都合と才能は別物で、何をどれだけ犠牲にしようが能力に反映されるわけじゃないし、
単なるモブが脳が焼けるほど鍛練しようが、神様にも編集部にも関係ない
自分なりにハードな訓練をして結局負けた今の自分には、
もはや目的地もないのに妙に開拓された脳味噌だけが後に残ってしまった

自分のみじめすぎる人生の苦渋を、芸術で中央に認められることで浄化したかった
自分の得てきた見識や理念を、広く他人に伝えられたら幸せだった
でも才能がなかった
不思議と後悔や未練はない気がする
死力を尽くしてダメなんだからしょうがないと思える
まだストックがあるのでしばらくは書くけれど、じきに足を洗うだろう
何か次の目標がほしいな。小説に匹敵するような……でもそんなのはないんだよな
小説を書き続けたせいだろうか、中途半端にタフになってしまい、
ゴミなのに死ぬ意志もなくなってしまったのがまた地獄で……