仕事辞めて、無理して時間を潰している内に、
自分がなんで生きてるのか疑問を持ち始めた。

昔は「俺もいつかは運命的な出来事があって、自然と大人に変わっていくんだろうな」
……というような夢見がちなことを考えていた。

実際は俺の人生にイベントは何も起こらなかった。
幸運とか不幸とかじゃない、何も運命を感じさせる出来事が起こらなかった。
今まで人生は平凡そのもの。波風が一切立たない人生だった。

平凡であることに恐怖した。だから人生に意味を持たせる方法を考え出した。
運命を待ち続けても、絶対に何も起こらないと確信を持ってしまったから、
良くも悪くも自分は「選ばれし者」ではなく「選ばれなかった者」だと理解したから、
何か特別なことを始めようと小説を書き始めた。