http://89865721.at.webry.info/201210/article_1.html

そのすぐあと、今度は作家の収入について、ミステリー作家の小森健太朗さんが、ツイッターで、
「いま初版1万部出る作家は少なくなっているようだ。年間2冊刊行として、初版1万部が、
作家で生活できるぎりぎりのラインだ(大意)」というキビしい指摘をされて、反響を呼びました。

ミステリーに限っても、毎年20人以上が新人賞かその関連でデビューしています(もっと多いかも
しれません)。それに少数ながら、スカウト、原稿持ち込みなど新人賞以外のルートで出て来る人
もいます。しかし年間に刊行される国産ミステリーの新刊は400冊から450冊くらい。
30代半ばから40歳くらいで新人デビューしたとして、実働年数30年と仮定してみましょう。
すると、年間30人が新規参入して、それぞれ30年書き続けるとすれば、デビュー1年めか
30年めまでの作家が30人ずつですから、30人×30年で、ひとり1冊出すとしても、
年間900冊出る計算になる。しかし現実にはその半分も新刊本は出ていないし、
1万部を超える本は何分の1かでしょう。
もちろん赤川次郎さんのように年に10冊も出す人もいるので、現実には小森さんの言われる
年間2冊刊行どころか、1冊も出せない作家の方が多い。
つまり、デビューしたとしても、小説作家だけで食える人はごく一部しかいない…というわけです。