少年ロボットと少女のキラキラした生活

 福島聡「星屑ニーナ」。舞台は巨大魚が空を泳ぎ、月がタバコをふかし、
人がタイムスリップをするちょっと変な世界。物語は、女子高生ニーナが
ロボットの少年「星屑」を拾うところからはじまる。自分を働かせてくれる主人
を求めていた星屑だが、ニーナは主人ではなく先生として彼を育てていく。
ある日、ニーナはいつものように学校をさぼって、「あの蝶についていく」と
バイクで空を駆けぬける。自由奔放に生きる彼女との日々は、星屑にとって
キラキラしていた。
 そんな夢のような時間にも終わりはくる。数十年の時が経ちニーナが寿命
で死んでも、ロボットは年をとらない。亡き最愛のニーナを想いながら、孤独
に朽ち果てようとする星屑だった。しかし、再び物語は動き出す。目が回る
ほどのスピードでタイムスリップを繰り返し、ロボットのキラキラした輪廻転生
は続いていく。