あれ、たぶん下読みのアルバイトだったんじゃないかな? って思うことがあるんで、多少は記憶違いもあるからそれを前提に。

これはフィクションです。(音声は変えてあります)前>>836五六編あるなかで一番と二番をすでにAさんは一人の主観で決めてました。Aさんがこれがいいと選んだやつが一番で、二番は上手いやつでした。
「これは上手に書けてる」Aさんが褒める。「けどね――」
それぞれ封筒に入ったままの原稿を、「上に上げるやつは、もう決めたから」Aさんが俺に渡しました。賛同してもらえるか不安だったんだと思います。
でもぜんぜん読む気がしなくて、「やっぱり○○○くんもそう思う?」なまじっか読んで、こんなこと言われても責任持てないし、結局ぜんぜん読みませんでした。
「これでいいと思います」そのまま読まずに返しましたが、これでよかったんだと思います。ただ一作一作、封筒をあけて生の原稿を手にしたときに感じたことがいつまでも心に残っています。それぞれに強い熱気のようなものを感じました。