だいぶ物語が変化しました。

チャプター十六の途中から
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私はサンドウィッチを吉沢が拵えている間に、車内に高木を招き入れた。太陽はやや傾いて西陽が「ル・リアン」の店内に差し込んできていた。
「わざわざ来てくれたんだ」と私が言うと、高木は「ええ、この間一度食べてみたいと思ってました」と言って、白い歯をみせてはにかんだ。
今日の高木のファッションは細身の淡い緑色のパンツにネルシャツという出で立ちだった。十字架のシルバーのネックレスが胸のところでひかっている。
「高木君、美代ちゃんと付き合ってるんだって?」吉沢が言った。
「ええ、つい最近告ったら僕でも良いって言ってくれて……それで……」と言ったっきり言葉が出てこなかった。