太田光について語る時、僕はいつも一抹の淋しさを感じる。
文化人気取りで僕のことをつまらないと言う太田光のことを、僕自身も一度も面白いと思ったことがないのだ。
そこには深い断絶がある。それは天体の運行のように、絶えず旅を続けながらも決して交わることはない。夜空に太田光の儚い笑顔を思い浮かべ、僕は深い溜め息を吐く。
やれやれ。等しく地上に生きているはずの僕らは、実は同じ軌道を旅するだけの孤独な球体なのである。