>>416
ほれ

 僕は沼を歩き続けていた。いや、歩いているつもりになっていた。
膝までだった水位が、気付けばずぶずぶと肩のあたりまで上がっていた。
向こう岸はもうすぐだと思っていた。
下読みは原稿をさっと見て「れつだんの奴だろコレwふざけんな、捨てるぞ?」と言った。僕は静かに頷いた。