〈続き〉
・執筆に際しては、明確に売り≠意識し、何かで印象を残さなければいけない。
・主人公を馬鹿・間抜けに設定したら、まずミステリは失敗する。主人公は優秀、かつ敵も優秀であり、敵の策略などにより主人公はピンチに陥るものの、
機転や実力を発揮し、四苦八苦しつつ切り抜けなければいけない。
・キャラクター造型が巧いとは、端的に言って、主人公および主要登場人物の性格が魅力的であり、なおかつ登場人物同士の会話が巧みであることを指す。
「キャラの巧さは七難隠す」主要登場人物のキャラ造型が魅力的なら、ストーリー展開がステレオ・タイプであってもファンは食いついてくる。
・新人賞受賞の傾向と対策とは、過去の受賞作を分析研究して、絶対に似ないようにすること。
・選考委員の圧倒的大多数は都会人なので、都会を舞台にすると不利。絶対に大都会でなければ成立し得ない物語でない限りは地方、それも、できるだけ鄙びた田舎が有利。
都会人には体験不可能に近い自然描写が優れていれば、前例があってもOK。北国の豪雪、南国の凄まじい大型台風など。
・全く取材せずに空想だけで何か新しいアイディアを考えようとすればするほど他人のアイディアと酷似してくる。
・日本語には接続詞、特に順接の接続詞を使うほど悪文になるという特徴がある。
・小説の台詞回しでは鸚鵡返しはNG。「そう言って」の多用もNG。鉤括弧があれば言ったことは分かる。どのような情感を込めて言ったのか、手抜きをせずに描写すること。
・登場人物名は誤読回避のために、一文字も重ならないのが鉄則(家族や親類を除く)である。現実に、登場人物名の類似性を選考時の減点対象にしている選考委員が存在するので、アマチュアは要注意である。
・読者(選考委員)に受けるのは、「かなり性格的にヒネくれているが憎めない、言動がユニークで魅力的」という人物である。
しかしユニークなキャラを捻り出そうとする余り、少しも魅力的でない、嫌悪感を催すような人物造型をして、予選落ちする応募作も多々あるので要注意である。

以上!