2017-11-13
【読書感想文】 村上春樹/雨天炎天 【1991年刊行】


 ギリシャとトルコの紀行文。海外旅行をしたことがないので、大変興味深く時間を忘れて読んだ。

 当たり前の話だが、日本の常識が通用しないところが特に面白い。ギリシャでは皆が皆黴の生えたパンを食べて、信仰のために厳しい生活をしている。
トルコではウォーター・クーラの水を飲んだだけで激しい下痢に襲われたり、兵隊が街を当たり前のように歩いていたり、国境の近くは緊張している。

 短い本でかつあっさりとした文章なのであっという間に読み終わったが、内容は濃密でギリシャとトルコを旅行した気分になった。文句なしにとても面白かった。