>>393

 吐く息の白さを追いながら空を見上げると、うっすらと放射霧がかかっていた。冬が着実に近づいてくるのを感じる。
 コンビニの扉を押すと、隙間からコーヒーの香りが漏れてくる。湯気の立つカップを手にした客が、私と入れ違いで外に出ていった。
店のなかは混んでいた。数人の客が、商品を持ってレジの順番を待っている。ひとりが手にしている、分厚いハムの挟んであるサンドイッチが目にとまった。私もそれが食べたくなって、棚へ向かう。
そこには見たことのないハンバーグ弁当も並んでいて、さっきのサンドイッチよりずっとうまそうに見える。しかし財布の中は心もとない。
 サンドイッチひとつだけの会計を済ませて店の外に出ようとしたところで、ふと、ラックに差し込まれた新聞の見出しに惹きつけられた。それを掴んで、二度目の会計を済ませて外に出る。
 そういえば今日は給料日じゃないか。給料日を忘れているなんてどうかしている。
そう思いながら、サンドイッチの包装を乱雑に破り、道端へ捨てた。そのまま口に放り込んでしまえば、たいしてうまいものでもなかったと少し後悔し、おとなしく新聞の見出しを追った。

こういう感じにしてみたらどうかな?