その立て看板には、こう書かれている。
「あなたが書いた小説・論説文・エッセイなどの文章を真面目に読み、感想・添削・批評を行います 」
だが、これは迂闊に近寄ると危険な地雷だった。私も、最初はこの優しい文章に惹かれ、
近寄った。だが、それは血しぶきが炸裂する場だったのである。
  
 私は土佐を脱藩して、江戸に赴き、住処を見つけたところであった。
 そして「酷評スレ」という道場に通うこととなった。
 そこはどんな剣客でも受け入れるが、全て叩き直すという門構えだった。
 「おはようございます」
 「遅い、死にたいのか」といきなり怒鳴られる。
私はたじろいだ。だが怯まず、正座をする。
 最初の講義は「誤字脱字」の指摘だった。
その打ち込みだけで、すでに小手を打たれて痺れていた。
「す、すみません」思わず私は、声が漏れた。
 次は「起承転結」だ。と道場主が叫ぶ。
私は必死で竹刀を振り、道場主に向かって行く。
 「甘いぞ」と軽く喉元を抉られた。
 だがその次には、
「ペンのセンスはある、もっと修行しろ、伸びる」と道場主に言われた。
私は感激して、涙を流してしまった。血の涙であった。
良いところと悪いところを具体的に指摘されたからである。
 もう道場を辞めようと土佐に帰ろうとしたとき、酷評スレ道場の道場主が行った。
「出ていくのは自由。だがそこであきらめたら、お主は弱い剣客のままだ、それでいいのか?」と言われた。目が光っていた。
 私は思いとどまり、さらに修行をこの道場で腕を磨くことに決めた。礼を言い、道場を出ると、左側に四つの生首が置かれてあった。
過去の剣客の生首であった。どれも、血が滴っていた。
 私が日本を震撼させるのは、それからまもなくのことであった。

・書いてみました。起承転結にはならなかったかもしれません。よろしくお願いいたします。