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◆創作について何でも自由に雑談するスレ3◆
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0054名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2018/09/18(火) 10:06:45.43
プロらしき人がたくさんいらっしゃる。
評価お願いします。
三分の一です。

「太宰っていうのは、結局は気取り屋なのよ。気取りの文学よ、太宰は」
 私は文芸批評が好きだ。人の批評を受け売りするだけだが。
「でも『走れメロス』は名作じゃない?」
「あれは太宰の健全な部分が現れてるわね。でも大半は気取って、嘘を並べて謙遜してるのよ。でも実は、謙遜に見えて気取って書いてるの。文学者はそういう作品を褒めるわけには行かないの。
自然に、あくまでも自然に書くのが文学なのよ。『風の便り』という短編の中で、太宰は自分でそこに言及してる。自分の文学は正確を期す文学ではなく、その一番大事な所が自分の文学にはないって。
おそらく作家仲間の誰かがそう言ったのね」
「それって、太宰へのジェラシーじゃないの? 太宰の作品は、それはそれとして十分完成しているし、直す箇所などもないように思えるのだけれど……」
 げ、太宰に詳しいのか。私は焦った。
「あくまでも私の個人的な意見よ。太宰を無条件に肯定する人にとやかく言う気はないわ」
 そう、受け売り以外は私は語る言葉を持たない。語彙がないのである。
 語彙がないばかりでなく、表現力もない。的確に言い表すことができない。平成生まれ特有の、知的障害者スレスレの国語の能力。取り返そうとして高校から読書を始めたが、
遅すぎたようだ。もう一生直らないのだろう。
 その私が、書評の受け売りを話す時だけは雄弁に、饒舌に語るから不思議だ。なぜこのようなことができるのか、自分でも解らない。
 その後も私は「太宰は気取り」という説明をさんざんっぱら繰り返した。智子は太宰を、ほぼ全て読んでいるようだった。私は劣等感を覚えた。
0055名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2018/09/18(火) 10:07:31.39
三分のニです。

 喫茶店を出ると、夕方だった。いや違う。朝だ。ひんやりとした空気が肌に感じられ、時計を見ると五時だった。まだ薄暗いのは日が出ていないからなのだ。
 超常現象か。私は驚くほど平然としていた。世の中、何が起きるか解らない。これぐらいで驚倒していては身が持たない。
 だが、おかしいことはまだあった。あちこちに、本のキャッチコピーやらタイトルやら、本文の抜粋などが張り出されてある。百貨店の吊り広告や看板のようなものが到る所に出ていて、色々な文句が揃っている。
 なぜこんなにも、広告が?
 私はそれを見ているうちに、肌がむず痒くなった。
 いや暫くして、刺すような痛みが走った。耐えられない。私は全身を服の上から掻き毟りながら、地面に倒れ臥し、地面で背中をこすった。

「大人の流儀」

「私は私を殺して
私は私になった。
私は私を生かして
私は私を捨てた。」

「怪奇探偵 Lizzie and Crystal」

「ばんそうこうダイエット」

「なぜベストを尽くさないのか」
0056名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2018/09/18(火) 10:07:54.13
最後です。
お願いします。

 絆創膏を平仮名で書く、ここに気取りを感じる。
 絆創膏を貼っても痩せる訳がないのに、気取ったおばさんと、気取った詐欺師の気取った文化だ。
 なぜベストを尽くさないのか。ベストを尽くしても他人から見てベストでないこともある。努力の強要は時として悪い。要はただ気取っただけだ。

 ああ、痛い! 私はこのまま死ぬのだろうか。
 考えてみれば、太宰なんて、気取りというほど気取ってはいない。謙虚な、好感の持てる作家だ。自分の書くべきものを書き、自分を演出することが作家の義務であると心得ていただけのことである。

 神様、変に気取ってすいませんでした。これからは、もうしません。神様!

 そこで目が覚めた。酷い夢だった。これからは正直に生きよう。自分を騙すのはもう御免だ。
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