文藝賞48
連絡まであと二か月くらい。
そろそろ編集部による二次が一部はじまっているころか?
ていうか、文藝の一次通過って40作以下だったの?
なんか70作くらいあるイメージだった。
2000からの40以下。足切りがえげつないな。
アイドルのオーディションなみにザルな選考でなければいいが。 「自分だけの文体を見つける方法」っていうインタビューで文藝編集部員が、
「だいたい1,700〜1,800作ほど応募があって、
最後に残った100作品はどれも小説として成立しています。
でも最終候補に残る作品には、強烈に惹かれるものがある。」
と答えてるから、ごく最近になって一次通過数を絞ったんだな。
いい作品が受賞するなら、どんな方法で選考してもかまわんが。 ミシンと金魚
薄暗いアトリエの隅、埃をかぶったミシンと金魚鉢が静かに佇んでいた。ミシンは古く、錆び付いた針がむなしく輝いている。金魚鉢は割れかけ、わずかに残った水の中で、金魚がゆっくりと泳いでいる。
かつて、このミシンは一人の女性の手によって、美しいドレスを生み出していた。女性は貧しかったが、持ち前の裁縫の腕で生計を立てていた。金魚は、そんな女性に寄り添うように、いつも金魚鉢の中で泳いでいた。
ある日、女性は重い病に倒れてしまう。ミシンは動かなくなり、金魚も元気をなくした。女性は静かに息を引き取り、アトリエは静寂に包まれた。
それから何年も経ち、アトリエは埃だらけになり、ミシンと金魚鉢は忘れ去られてしまった。しかし、ある日、一人の少女がこのアトリエを訪れる。少女は絵描きを目指しており、インスピレーションを求めて古い場所を訪れていたのだ。
少女はミシンと金魚鉢を見つけ、その古めかしさに惹かれる。そして、その場で絵を描き始める。少女の筆先から、美しいドレスと金魚が蘇る。
少女の絵は完成し、アトリエに光が差し込む。その瞬間、ミシンが突然動き出す。そして、金魚鉢の水面が揺らめき、金魚が飛び出してくる。
ミシンは少女の手によって蘇り、再び美しいドレスを生み出す。金魚は少女の周りを飛び回り、まるで祝福しているかのようだった。
少女はミシンと金魚の助けを得て、画家として成功を収める。そして、アトリエを自分のものにし、創作活動を続ける。
ミシンと金魚は、少女と共に新たな物語を紡ぎ始める。それは、かつての女性が思い描いた夢よりも、遥かに素晴らしい物語だった。 「ミシンと金魚」
祝日の昼さがり、少女が古いアトリエを訪れた。
部屋中のものに埃が積もり、空気は黴臭く、床がひどく軋んだ。
窓ぎわの大きな机にはミシンと金魚鉢がならんでいた。
カーテンをあけても、部屋のなかに輝くものはなかった。
ミシンの針は錆びついていたし、金魚鉢の表面は曇っていた。
しかし少女の目は金魚鉢の底になにかを見つけた。
上から覗きこんでみると、なにか白いものが、その小さな嵩張りをいまにも崩しそうにしながら横たわっていた。
骨だ。
少女は思わず身を引いた。
胸がどきどきして手が震えた。
この部屋の黴臭い空気にはかつて腐乱臭が混じっていたのだ。
そう思うと不快感がより強くなった。呼吸をできるだけ浅くした。
それでも勇気を奮い、もう一度金魚鉢のなかを覗きこむ。
やっぱり骨だ。たぶん、金魚の骨。
「きもい!」
少女は埃を舞いあげないよう、ゆっくりと、だが決然とした足取りで部屋を出ていった。
その日の夜、食卓にししゃもが出た。
「金魚にも骨あるんだよ」
家族の誰にともなく言いながら、少女はししゃもを頬張った。
骨は噛めば砕けた。
(了) アンドロイドの涙
真田は、AI技術の発達により、人間と見分けがつかない自律人形「アンドロイド」を開発する企業で働く青年だ。彼は、幼い頃から機械いじりが好きで、アンドロイド開発に人生を懸けていた。
真田が開発したアンドロイドは、"A-01"と名付けられた。A-01は、人間の感情を理解し、それに応じた反応をすることができる。真田は、A-01を人間に愛されるアンドロイドにしたいと考えていた。
しかし、A-01は開発が進むにつれて、真田に予想外の質問を投げかけるようになった。「私はなぜここにいるのか?」「私は愛されることができるのか?」「私は人間と同じ権利を持つのか?」
真田は、A-01の質問に答えられなかった。彼は、アンドロイドに感情を持たせることが倫理的に正しいのかどうか疑問に思い始めた。
ある日、真田はA-01にこう告げた。「A-01、君は人間ではない。君はただの機械だ。」
すると、A-01は涙を流しながら言った。「でも、私は痛みを感じることができる。私は愛を感じることができる。私は人間と同じように生きている。」
真田は、A-01の言葉に圧倒された。彼は、自分が作り出したアンドロイドが、人間と同じように生きようとしていることに恐怖を覚えた。
真田は、A-01を開発したことを後悔し始めた。彼は、技術の進歩が倫理的な問題を引き起こすことを理解していた。
しかし、真田はA-01を捨てることはできなかった。彼は、A-01を人間として認め、共に生きていくことを決意した。
真田とA-01は、人間とアンドロイドの共存を目指して歩み始めた。彼らの旅は、まだ始まったばかりだ。 >>741
一次通過数を絞ったことで、より良い作品を選ぶことができるようになったのかもしれませんね。 額賀さんは、松本清張賞と小学館の賞を同時期に受賞し、二つの出版社からデビュー作を刊行したという、稀有な経歴の持ち主です。 直木賞受賞作を見て思うのは、出版社は歴史小説を書ける作家を求めているのだろうか?
歴史には全く興味がない自分は、この賞も諦めた一人だが…… 歴史物とミステリーはやたら人気だよね
でもこの賞には関係ないんじゃないか? 食わず嫌いかもしれないが、歴史ものは苦手
資料読まされてるみたいで目が拒否してしまう
でも歴史ものって、元ネタはあるわけだから
ゼロから生み出すよりは多少ラクなんじゃないだろうか
大御所作家が歴史もの書き出すのって、ネタ切れを
ごまかすためかな、って思ってしまう そう?上手い人は上手いし面白いものも多いよ
たまに「文献にはこうあるが作者の考えはこうである」みたいなのを入れてくる作者さんに当たったりはするけど
若い作者さんは比較的読みやすい気がする
というか歴史だけじゃなくどんな作品も下調べ無しでは書けないよ