昔から年配者は経験を武器にしてきた
失った体力の代わりに経験値を売りにして
失敗を含む様々な体験を元に金を手に入れてきた

ところが今の時代の大人はあれもいらないこれもいらないと言いだした
バブル以降一部の敗者である大人たちだ

自身が経験できなかった手に入れられなかったことを正当化するかのようにそれを若者に提唱した
知らないことを教えたり勧めたりはできない
長く生きただけで何も知らない大人から若者たちは何も学べない
そんな大人たちはそれでいいと言うしかないし純粋な若者はそれを信じるしかない

高級品を馬鹿にし贅沢を卑下し自分が知らないすべてを無駄だと否定する
唯一手に入れられる安物を崇め賃貸暮しの気楽さを自由だと勧める
そうかいらないのかもっと安いものがあるのかと若者たちは勘違いした
安物こそ最高でバイクも車も不必要
服も食事もファストで済ませ100均で用を足しデートは割勘
これでいいんだこれが正しいのだと
経済は更に回らなくなる

本来若いうちは間違いだらけだ
必死に金を貯めて買った服の大半は似合わないし空の財布を握り締め好きな相手にご馳走する
友人知人に勢いで奢った金は先行投資になりえた
無駄が必要でその無駄が人柄を表しその無駄から学ぶことが多かった
様々な経験をして大人になり本当に不必要な無駄と必要な無駄を理解していった
そしてそれが武器になる

金のない大人たちは無駄が恐怖だった
稼ぐことより如何に損せずにすますか
最低限で最高に得をするにはどうすればいいか
結果使わないから学べない

若者達は一足先にそれを学びたいが故に問うが学べなくなってしまった
知らない大人が多すぎる誤魔化すしかない大人が多すぎた
そして若者は異性を口説き失恋から学ぶことすらしなくなってしまった

生まれた時から不景気だった若者は贅沢を知らない
敗者である親が蔓延した時代に大人は希望を提唱できず清貧こそ素晴らしいかのように振る舞った
そんな親である大人たちのせいで社会は更に儲からなくなってしまった
無能な大人なちのせいで悪循環は治まらない

そしてコンピューター社会の今は嘘が蔓延しそれすらも真実との区別ができなくなってしまった
知らないから教えてくれない大人の代わりにコンピューターが先人になった
コンピューターは便利だ
なんでも教えてくれる

若者はそれを信じ何も経験できなかった大人たちまでもがそれで経験したかのように知識を埋める
しかしそれが本当かマヤカシかを判断するのは本人であり実体験での裏付けが必要だ

実体験のない人間がそれを勘違いし提唱しだす
実際に過ちを犯しそれが真実ではないと指摘されるまで気付かない
実はもう既にそんな人間ばかりになっている


恐いことだ