職場で起こる熱中症

事例

Bさんは、37歳の男性、建設会社に勤めています。朝礼時に健康管理シートで自分の体調をチェックしています。
ある蒸し暑い日に、風通しが悪い場所で足場の組立作業に取りかかりました。休憩所には日除けが設置され、
氷、イオン飲料、梅干しなどが備えられていましたが、身体を冷やす設備がありませんでした。
朝10時頃、右足にしびれを感じ、けいれんを起こしましたが、水を2杯飲み、15分程休むと回復したので、
すぐ作業に戻りました。昼食時に気分が悪くなり、歩行もできなくなったため、直ちに救急車で搬送されました。

解説

健康管理をしていても、作業中の管理が十分でなかった例です。作業時間が長時間にわたり、十分な休息が
とれていませんでした。また、休息場所が高温で風がなく、休憩中は体温を下げることができませんでした。
身体活動強度の高い作業では、汗とともに塩分(ナトリウム)が身体から失われるため、水分とともに塩分
(ナトリウム)を補う必要がありますが、Bさんは水しか飲んでいませんでした。再発防止のために、事業所内
での熱中症予防対策の教育が必要です。

過去の熱中症死亡例について職業別に見ると、建設業が40%以上を占め、続いて製造業が約20%でした。

https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/heat-disorders/casestudy/