『賂人金(ろりこん)』

呉の時代に部堂(べど)と呼ばれた大商人がいた。
この大商人達は政治をも動かす程の富豪であり部堂目を付けられた
商人達は物を売ることさえ出来ない程であったため、賄賂を
渡し部堂に取り入るもの達が多かったのである。
そのためこの時代は賄賂無くして商人共は生き残れなかったのだ。
だが、時が立つにつれ賄賂の量は増えて行き少し程度の金では取り入ることが
出来なくなったのである。
既に主要な商人達を取り込み、これ以上商人を取り入れる必要がなかったためで
あり、それでも取り入る必要があった商人達は莫大な賄賂を渡す必要があったのだ。
ある日、十歳に満たない貧しい商人の少女が自分を賄賂として部堂に差し出した。
この少女を気に入った部堂は「賂の人、金の価値あり」と云い財産を継がせたのである。
しかし、部堂は大層な幼女好きと言われており、この少女が部堂の子を孕んだとの噂も
あったことから金より幼女が好きと言う者達を『賂人金』と呼ぶようになったのである。
現在、ロリコンはLolita complexの略であると言われているが、こちらの説を唱える
学者も少なくはない。

民明書房刊『児童伝説極東編』