>>425 の続き...

先のRawTherapee現像結果の検証では、カメラスペックとおりのダイナミックレンジを確保すると、階調の滑らかさが失われ、さらに無用な
色被りまで起こすことが判明したが、ここではそれら問題の解消方法を検証してみた。
http://kaeruk.ddo.jp/camera/LR_RT_HighQuality2_web.jpg

上記画像の「RT現像(1)」は、先に示したもので、ハイライト圧縮の操作により、失われた階調の復元を試みたものである。

「RT現像(2)」は、「RT現像(1)」にある色被りを回避するために、ハイライト圧縮設定値を変更(46)して飽和点を下げたもので、
ダイナミックレンシは、飽和点+3EVであり200%に満たないものとなっている。しかも階調は滑らかでない。

「RT現像(3)」は、「RT現像(1)」のハイライト圧縮設定値を変更(137)して飽和点を上げたものだが、当然の階調の情報がないことから、
グレーに塗り潰されるだけである。

「RT現像(4)」は、「RT現像(1)」の設定条件のまま、1EVの増感をしたものである。そのことは、-1EVのグレーが0EVにシフトして適正露光の
グレー(濃度の中点)となるため、スケールの表示も視覚的位置を合わせるために相当分をシフトしている。

これの飽和点は、+3EVで表示された部分だが、実際の濃度は、1EVの増感がされているので+4EVということになり、ダイナミックレンジは
400%にやや届かないレベルとなっていて、階調も滑らかに飽和点に達している。

以上の結果から、現状のRawTherapeeで基本的仕上がりのバストな現像をするには、撮影時の露出設定を絶えず-1EVにすることであり、
現像は1EVの増感をし、ハイライト関係の設定は、「RT現像(1)」の設定と同じくすることが推奨される。しかし、RawTherapeeには階調表現の
問題もあり、それを見直しした場合には、これら設定値は保証されない。