お通夜で、大学時代の親友の死に顔を見た。
喪主は奥さんで同じ大学で後輩の鈴江さん。
奥さんの隣には娘さんのこずえちゃんが、私達と同じ大学を3月で卒業というのにとにかく暗い顔をしていた。
「馬鹿野郎、何故カミさんとお嬢さんを残して死にやがった。この、大馬鹿野郎」
そう言い残し小生は会場を後にした。

後日、死んだはずの信彦からラインが入った。
「先日はありがとうございます。娘のこずえでございます。乳が生前大変お世話になっていたと聞いてラインさせていただきました。」
「こずえさん、困ったことがあったら私に何でも言うようにな」
するとこずえさんは「卒業式に、父の代わりに来てもらいたいんです。母と一緒に・・・ダメですか?」
親友の娘の頼みとならば断れない、二つ返事でOKですと返答。
そして卒業式、そこには信彦にそっくりな顔立ちをしたこずえさんがいた。
昔を思い出したのか、25歳も離れているというのに抱きたくなった。
こうした縁で今、こずえさんとは友達以上の関係でお付き合いをし始めた。
これで少しでも信彦が天国で安らかにいられるよう願いながら、お互いを思い合うようになった。
最近では結婚を迫られている、はてどうしたものか・・・。