リコー、北米で巨額損失の可能性 買収の現地会社が不振


 複写機大手リコーが、北米事業で数百億円規模の損失を計上する検討に入った。2008年に約1600億円で買収した米販売会社「アイコンオフィスソリューションズ」の業績が悪化し、想定した収益を稼げないためだ。早ければ18年3月期中に減損処理する可能性がある。

 リコーは現在、3月期決算の発表に向けて北米事業の収益見通しを精査中だ。

 2月22日には「減損実施の要否や金額は現時点で不明」とのコメントを公表。リコーは北米事業のてこ入れ策として販売網の縮小を進めるが、山下良則社長は「最適化には時間がかかる」と話しており、早期の収益改善は難しい状況だ。

 リコーはほかにも、インドの販売子会社の経営破綻(はたん)で最大300億円の損失が出る見通しを公表済み。保有株の売却などで、財務基盤の強化を急いでいる。

 先進国では複写機の需要が伸び悩んでおり、米大手ゼロックスも1月、富士フイルムホールディングス傘下の富士ゼロックスとの経営統合を発表している。