爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤の成分が混入していた問題で、製造した小林化工(福井県あわら市)は12日、報道陣に対し、服用した首都圏で入院中の70代の女性が10日に死亡したと発表し、小林広幸社長が「重大な過失をおかし、責任の重大さを痛感している」と謝罪した。  また同社は、睡眠導入剤の成分を保管した容器は、水虫薬の成分を入れた容器とは形状も材質も、大きく異なっていることを明らかにした。「取り違えることのないレベルの取り違え」として今後、第三者を交えて原因究明を進め、再発防止に努めたいとした。  同社の説明では、水虫薬の主成分はドラム缶のような形の高さ1メートル弱の紙容器で保管する一方、睡眠導入剤成分は平たい缶に入れられ、容器には成分名も書かれている。保管場所からの取り出しや調合などをする際、社内規定では作業員が2人1組でする決まりだが1人になった時間帯があったとし、同社はその時間帯に混入が起きたとの見方を示した。県は9日、立ち入り調査に入り、医薬品医療機器法違反の可能性があるとみて調査している。