プペルとラピュタの類似性はよく指摘されるが、模倣だとしても拙くて
特にダメなのが空の上にあるものを「星」にしてしまったこと

星もラピュタも、物語の中では存在してることははっきりしているが
ラピュタの場合、パズーが信じてるのは空を飛ぶ城であり、これは視聴者の知識からしても
ファンタジー的で、そんなものは普通は存在しないと思えるモノ
だから、パズーが行きたいと夢を語るラピュタを「そんなモノあるわけない」と
否定する町の人々の思考は視聴者にとっても普通に共感できる

しかしプペルの場合、空の上にあるのは星であり、読者にしてみれば
空の上にあるのは常識として当たり前のモノ
星の存在を認めないえんとつ町に住む人々は、読者にとってみれば
本当のことを知ろうともせず真実から目を背ける愚かな人々に映る

※)さらにおかしいのが、作者は作品解説でさんざん上記のように
ルビッチたちが夢を語るから人々はそれを迫害すると繰り返しているが
実際の作品内にはそんなシーンがほとんど見当たらない

いずれにせよ、この背景によってルビッチやプペルの正しさや成功は物語として補強され
どうなるかわからない冒険に挑戦するという要素はぐっと薄れる(空の上にあっけなくたどり着くのもこれを助長している
後書きや帯で本作のテーマのように何度も強調される「ひとりになっても信じ抜くんだ」という言葉はより空虚になり
バカな連中は信じないが本当の正しいことを俺だけが知っているという物語になっている