井手口陽介、山口蛍。この2人が並ぶ守備的MFは、とりわけ物足りなく見える。
キャプテンシーの高い長谷部誠が再びケガで戦線離脱したことも弱体化に輪をかけた。

巷では、本田圭佑、岡崎慎司、香川真司を再招集すべきだ、という声が飛び交っているが、
それは時計の針を2010年南アフリカW杯前当時まで、大きく戻すことを意味する。
そんな後ろ向きすぎる選択が、幸を呼ぶようには思えない。
にっちもさっちもいかなくなったこの状況を変えるには、それ以上の大手術を施すしかないと思う。

このままでは、あまりのつまらなさにファンは離れていくばかりだと思う。
勝てばなんとかサッカー日本代表への関心を繋ぎ止められるかもしれないが、負けたときは最悪の事態を招く。
そしてその可能性は高いと見る。心配は募るばかりだ。
.杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki