■宇佐美貴史「日本人として世界と戦うにはパスワークと人数で崩していくサッカーじゃないと難しい」 ハリル政権でベースとしていたシステムはやりやすい


合宿地のオーストリア・ゼーフェルトでトレーニングを開始した日本代表が本格始動から2日目となる6月4日戦術練習では初めて4バックを採用した
練習後に取材に応じた宇佐美貴史は
「違和感なくできた。戸惑いもなかった」
などと語りハリル政権でベースとしていたシステムは問題なく機能していたと振り返った

さらに宇佐美は4バックでの4-2-3-1で自身に求められる役割を問われると
「フィニッシュのところ そこに関わっていく決めきるところに入って行くこともそうですけど
どうやってフィニッシュの流れを作り出すかを、今日の形でいうと(長友)佑都くんや(本田)圭佑くん、(大島)僚太だったり
サコくん(大迫)と絡みながら作っていくこともあるし1本の展開で(原口)元気くんや(酒井)高徳に展開してチャンスを作っていくこともある

フィニッシュの流れをより円滑に作っていくことが求められていると思うしそれが僕自身のスタイルでもあるとは思うので」
とゴールへの意識の高さを窺わせた

一方、今季宇佐美は所属するフォルトゥ・デュッセルドルフでは右サイドを担当
代表では左サイドでのプレーが主体となっているが宇佐美はある選手の名前を挙げて連係面には不安はなく
良好なイメージが持てていることを明かした

「右でやっていた時のイメージを左でも持ってやろうと思いますし強力な武器を持った選手が、佑都くんもそうですけど、僚太に関しては同じフィーリングサッカー観というか
そんなに違わないなと思うので、そういう選手たちが近くにいるので、活かし活かされるようなボールの回し方というか、相手をパスワークで剥がして行くプレーが左でもできれば
今度右に展開していければ、それも武器になるでしょうし」

大島に対して類似した「サッカー観」を感じている宇佐美だが、事実、ふたりのコメントからもその様子は窺える

「日本人として世界で戦うには攻撃ではうまくいなしながらアイデアで相手を外しながら
パスワークと人数で崩していくようなサッカーじゃないと難しい」
という意見を持つ宇佐美に対し大島も前日の練習後には
「攻撃に関してはぶつかることがないくらい、いいポジショングと判断の早さで上回れればと思うし
自分の意志や考えを味方に伝えて、フリックすることがあるかどうか、そういうことも伝えていきたい」
と両者とも攻撃面では身体の接触を避けるようなポジショニングや判断の良さ、アイデアを重視する

「僚太とやってやりにくいなって思う選手はいないでしょう」

攻撃面ではボディコンタクトなしでポジショニングやアイデアを駆使することに価値を見出す両者だが
もちろん守備面では「ディフェンスになったらぶつかる、ボールを突く」(大島)
「守備はガツガツ当てていかないと」(宇佐美)と“デュエル”の重要性は重々承知だ

また宇佐美は大島に関して
「たぶん僚太のタイプ的にも僚太とやってやりにくいなって思う選手はいないでしょう
彼は合わせて行く側の選手だし自分のイメージで繋いでいくよりかは選手の状況を見ながら気持ちよくプレーさせるように気を配る選手だから
前目の選手では誰もやりにくさを感じる選手はいないと思う」
と話し今年に入り代表チーム内でも急速に存在感を増してきたボランチについて分析

今後は、大島―宇佐美の“ホットライン”でフィニッシュまで――
そんな場面も増えてくるかもしれない