先発6人の入れ替えは驚いた
コロンビア戦とセネガル戦から6人を入れ替えた日本。今大会初出場となる武藤、槙野らを起用した。
まずポーランド戦のスタメンを見て、驚いた。1勝1分だったコロンビア戦とセネガル戦の先発から6人も入れ替えるとは西野監督は思い切った策に出たね。

 確かに決勝トーナメント以降ームを見据えた時、体力の消耗が激しかった原口や乾らを休ませる必要はあはずだ。
ただ、グループリーグの最終はなにが起こるか分からない。ドイツが韓国に敗れるなど、他グループでは“まさか”が起きていた。

 それに日本はどんなメンバーでも同じ力を発揮できるほど成熟したチームではないし、グループリーグ突破が確実だったわけでもない。

 さらに言えば、ベスト16ではイングランドかベルギーと対戦するが、1位突破した場合、
その先でブラジル、アルゼンチン、ポルトガルらとの対戦が避けられた。ポーランドに勝って1位通過する意味はあったんだ。

 だからこそ、メンバーを代えたとしても、せめてふたりまでだったのではないか。現にポーランド戦はチームとして機能しなかった。

 それでも引き分けでも決勝トーナメントに進めただけに、中盤に本来はDFの酒井高を起用し、フレッシュな武藤、岡崎の2トップで前線からプレスをかける戦い方は理にも適っていた。内容は良くなかったとはいえ、前半を0-0で終えられたのはプラン通りだったはずだ。
後半から大迫、乾、本田、香川の中から3人を投入して、勝負に出る狙いも見て取れた。

 実際に西野監督も岡崎の負傷、先制点を奪われるアクシデントはあったにせよ、大迫、乾と立て続けに攻撃のカードを切った。ここまでは予想の範囲内だった。しかし、だ。
西野ジャパンの戦いには誇りを感じていたが…

1点ビハインドで迎えたラスト10分の戦い方は一体なんだったのか!? あの場面、
もし日本がポーランドをリードしていたとすれば、逃げ切り策として長谷部を投入し、後方でボールを回して、試合を締めるというやり方は理解できた。

 でも日本はポーランドにリードを許していたんだ。さらに他会場のセネガルとコロンビアの一戦(コロンビアが1点リードしていた)で、もしセネガルが1点を返してドローに持ち込んでいたら、日本は決勝トーナメント進出を逃していた。

 あの時点で西野監督はセネガルが負けることを確信していたのか? それは何が根拠だったのか? 
なぜ、後方でボールを回して時間を稼ぐという選択を取ったのか僕には理解できなかった。要するに日本は同点に追い付けば自力でグループリーグを突破できたのに、その可能性を放棄し、自分たちの命運を他会場の結果に任せたんだ。

 こんなに恥ずかしい消極的な戦い方は見たことがないよ。
試合を観ていて「あれ? 勝点計算を間違えたかなと」と一瞬自分を疑ったし、その後に怒りが込みあげてきた。
誤解してほしくないのは、僕はコロンビア戦とセネガル戦を勇敢に戦った西野ジャパンに誇りを感じていた。
西野監督の采配は的確だったし、なにより「攻撃的に戦うんだ」というその男気も素晴らしかった。

 他国の反応も概ね良好だったよね。でもポーランド戦で日本の評価は一気に落ちたはずだ。

今後は覚悟を持って戦ってもらいたい
ポーランドに0-1で敗れたが、グループリーグ突破を決めた日本。
グループ2位で決勝トーナメントに進んだ。
繰り返しになるが、ポーランド戦の日本の戦い方は本当に残念で仕方ない。
結果にこだわるのはプロとして当たり前だが、それは逃げのサッカーで、勝ち進むということではない。
自ら道を切り開き、苦難のなかで結果を手にするからこそ、周囲の人の気持ちを揺さぶれるんだ。

 彼らは子どもたちに夢を与えなくてはいけない立場なのに、ポーランド戦ではその役目を果たせなかった。
がっかりした人は多いはずだよ。せっかく多くの人が応援してくれ、日本サッカーの良さを再び知ってもらうチャンスだったのに、これじゃ逆効果だ。

 決勝トーナメントでも日本を応援はしたい。ここまで来たなら初のベスト8を目指してほしい。
でもその前にポーランド戦の戦い方はこれで良かったのか、西野監督にはしっかり検証してもらいたい。今後はより覚悟を持って戦うべきだ。

 深夜遅くのゲームを見守っていた人たちは、モヤモヤが残り、上手く眠れなかったんじゃないかな。僕もそうだよ。この怒りは明日になっても消えそうにないね