森保氏「A代表&五輪代表」監督兼任案に反発の声 本人も難色

日本代表の次期監督問題が最終局面を迎えている。日本サッカー協会の田嶋幸三会長(60)が17日、
ロシアW杯の視察を終えてモスクワから成田空港に帰国した。最有力候補となる2020年東京五輪代表の
森保一監督(49)の手腕を絶賛し、A代表と五輪代表の兼任監督を求める構えだ。しかし日本サッカー界
からは掛け持ち案に反発の声が続出。森保氏も難色を示しており、波乱の予感も漂っている。
 2022年カタールW杯に臨む次期日本代表監督の選定が議論される20日の技術委員会が迫る中、
帰国した田嶋会長は「今は最終的な詰めのところに来ている」と監督問題が最終段階に入ったことを明かした。
 候補者の具体名は言及を避けつつも、最有力候補に挙がっている森保監督について
「日本の中で実績ナンバーワンの監督だと思う」と高評価。焦点になっている五輪代表との兼任についても
「(フィリップ)トルシエ(元日本代表監督=63)やブラジル(代表)のチチ(監督=57)などみんなやっているわけだし、
それがダメということはない」との見解を前面に打ち出した。
 協会側が“森保兼任監督”の誕生に向けて詰めの作業に入る構えでいる一方で、サッカー界からは
“一人二役”に反発の声も聞こえてくる。
 この日、都内JFAハウスで取材に応じたJリーグの原博実副理事長(59)は、2014年9月まで協会の
技術委員長として代表を統括していた。その経験からA代表と五輪代表の監督兼任について「(現在は)
国際AマッチウイークにA代表も五輪世代もやるというのが大前提。それをずらして五輪だけ違う時期に
やるというのは(試合を行う)相手もいないし、ただの練習会になってしまう」と活動日程が重なる点を指摘し
「そういう面では兼任は難しいかもしれない」と否定的な見方を示した。
 J1クラブ強化担当者も“掛け持ち”プランを「中途半端な形でやらせるのはA代表にとっても、本人にとっても
よくないんじゃないか」と不安視。別のJ1クラブ強化担当者は「(森保ジャパンが臨む)東京五輪でもし日本が
惨敗したら…。指揮官が責任を取らずに、そのままA代表の監督を続けるのはかなり無理がある。そうなると
A代表の強化は無駄になるかもしれない」という。
 森保氏は15日に、Jリーグ視察の際、次期A代表監督候補に挙がっていることに「すごくありがたく光栄なこと」
と語り、兼任監督については「一つの体で同時に2つのことはできない」と難色を示していた。
 それでも森保ジャパンが兼任というイバラの道を選べば“ウルトラC”でやりくりする手もあるという。
原副理事長は「代表を、五輪世代の若い選手で多くするやり方もないわけじゃない」と提案するように、A代表に
東京五輪世代の選手を多数抜てき、実質的には五輪メンバーながらもA代表として活動するという大胆な策だ。
しかし急激すぎる若返りは現実的ではないだろう。
 このまま森保ジャパンが誕生したとしても、兼任案を固辞されれば、五輪代表監督の再選考という事態に
発展する可能性もある。本命が定まっても“代表監督人事”はまだまだ混迷しそうな雲行きだ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180718-00000031-tospoweb-socc