福西崇史「こんなヤバい雰囲気なの?」 コパ・アメリカで感じた異様な熱狂。

コパ・アメリカをプレーしたからこそ伝えられることは……とにかく本気の南米は「タフで怖い」。これに尽きます。

ピッチに入った瞬間、「こんなヤバい雰囲気なの?」と思いました(笑)。
試合会場はまるでプロレスの“デスマッチ”のように金網で囲まれていて、
観客席が間近に迫っている。ピッチは凄くぬかるんでいて、ボールコントロールが難しかった。

南米の選手は「魂を込めてくる」。
日本では知られていないような選手たちの本気度を味わえることこそ、
コパ・アメリカに出た本当の意味があるんだなと感じました。
とにかく1つ1つのプレーに対して、魂を込めてくる。球際では身体ごとぶつかるようにしてボールを奪いにくるし、
試合終了までハードワークしきってくる。例えばペルー戦で僕らは1−0とリードして前半を折り返したんですが、
後半からペルーがかけてきた圧力は今まで経験したことがないものだった。

がむしゃらにゴールを奪いに来る姿勢に押し切られてしまって、結局2−3で逆転負け。
彼らとしてみれば、結果を残さなければ国じゅうから批判を浴びる。
だからこそ軽いプレーはまったくできないし、
国を背負っているという使命感の強さがそのままプレーに反映されるからこそ、目の色を変えてくるんです。

https://number.bunshun.jp/articles/-/839627?page=2