佐川偽サイト相談急増 SMSに注意を

佐川急便などの名前をかたり再配達を受け付けるショートメッセージサービス(SMS)から
偽サイトに誘導される「フィッシング」について神奈川県内の消費相談が増えている。

県によると県内自治体の窓口に寄せられた相談は7月以降、
把握しているだけでも約100件にのぼり、
盗み取られたカード情報による金銭被害も発生している。
同社によるとSMSでの再配達の通知はそもそも行っておらず、
県も「URLをクリックしないように」と注意喚起し、
消費者ホットライン(188)にすぐ相談するよう呼びかけている。

「お客様宛にお荷物のお届けにあがりましたが不在の為持ち帰りました」。
問題のSMSは佐川急便などの実在する宅配業者を名乗り再配達の受け付けを促す。
URLをクリックしてしまうと偽サイトに誘導され、
アプリケーションのダウンロードを求められる。
米アップル製端末の場合は携帯番号や認証コードの入力を要求されるが、
アンドロイド端末は接続しただけで不正アプリが自動ダウンロードされる事例もあるという。
不正決済やSMS送信が勝手にされてしまう恐れがある。

県が把握する相談事例には実際に金銭被害に遭ったケースもある。
ある相談者はアプリをダウンロードした結果、
60人に再配達のSMSを自動送信され、3万円のプリペイドカードを勝手に決済された。
情報セキュリティー対策を研究する独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)では、
万が一ダウンロードした場合は「機内モード」に設定して
データ通信などを停止した上でアンインストールするなどの対策を呼びかける。
県も今回の手口を紹介するホームページをつくり、対応を急いでいる。