「連中、カリカリきてますね」
「なんであんな怒ってんの? ワッチョイとかなんとかいって事情がよくわからんのだけど」
「嫌なとこ触っちゃったんじゃないですか? だから通報通報って大騒ぎ」
「なんだよ、通報って。誰かに気に入らないこと書いたら通報されんのけ、へえー」
「運営者に通報するよとおどしてんでしょう」
「そうか、けん制かい。ジャブ打ってきてんだ。でも、俺、なんか悪いこと書いた?」
「いや、全然」
「だよな。同じルイスレザーに愛着を感じてた者としてもうすこし親切にされてもよくないか?」
「社長」
「なんだ」
「それがちがうんです。連中でルイスレザーを着てるのなんてほんの一握り」
「そうなの?」
「ほとんどが持ってない欲しがってる連中」
「そうなの?」
「持つ者と持たざる者のなんとやら、なんてね。ホンモノ着てるヤツにはきびしいんだぞー」
「だから、ルイス着た黒人のファッションをあんなにこきおろしてんだ」
「そうです、あんなことで溜飲を下げてる悲しい連中なんです」
「そっかあ」
「ファレルのスタイル見て、こんなのありかよ!なんていってね。バカでしょ」
「なんか貧しいなあ、センスが」
「引きづりおろしてこき下ろしてようやく落ち着くというね」
「でも、持ってないんだろ? ルイスを」
「持ってないんですよ」
「さっぱりした気分のいい男になら、買ってやりたいけど。ここでクダまいてるやつらじゃあなあ」
「対極の連中ですよ。連中、バイカーでもないしロッカーでもない」
「頭デッカチのルイスオタか?」
「社長、それですよ」