上司の立場を利用して己の憤懣を晴らそうとするこの内田の為に、私は暴言の連打を浴びるサンドバッグの役を演じ沈思黙考した。
痺れた脳には「......この生活保護乞食が」の言葉だけしか浮かばなかった。まるで漆を舐めさせられたような異常な咽喉の渇きで息も出来ずに。
喘ぎながらなんとか反論しようと試みたが、私の唇から口火を切って出たのは「クチャ、クチャ」という粘った音だけだった。それは内なる怪物の産声だった。