親の不倫から立ち直れない [無断転載禁止]©2ch.net
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過去に作ったスレが見つからなかったので
支離滅裂に過去話投げるだけ 五年前、母が不倫しました。
正確にはもっと前から不倫していたかもしれないけど、カミングアウトが五年前なので。
その少し前の話から書いていこうと思います あの人は、もともと笑顔で何でも承諾する人でした
父は少し子供っぽく短気なよくある一般家庭
お互いがお互いの悪口を私たち子供に言い聞かせながらも
それなりに仲のいい家族でした
思い返すと喧嘩で休日の家族外出が中止になったりしてたけど
それでも私は楽しかった。
ずっと世界で一番大切なものは家族ですって言えるような
そんな家族で居たかったんです さらに二年前、最初は理不尽な怒り方が増えたなと感じる程度でした
正論で返しても逆上して殴られるからだまって頭を下げることしかできなかった
意味のないことで喧嘩して、ずっとずっと怒られる。
今思い返すと、父と話した後のキレ具合は段違いだったかもしれません
このころは、母が不倫してるとは疑いもしませんでした
高校受験でも喧嘩して、母と一緒に学校で合格発表を見る約束をしたのに連れてってもらえず一人で泣きながら制服を受け取りました。
メールで返信したのにあの人が携帯うまく使えないせいで帰った瞬間ビンタ食らったのは今でも鮮明に思い出せる 高校に入ってしばらくして、母が夜に買い物に行くことが増えた。
前から珍しいことじゃなかったけど、格段に増えた
父が仕事と平行してバイトの夜勤をしている曜日だけ
今考えるとすごく不自然だったし単調だったし打ち込みながらにやけてる
ばれないとでも思ってたのかな そんなある日、母がパートの日
出かけたばっかりの父が帰ってきました
父は自営業だったしよくあることだったし気に留めなかったけど、弟が部活に言った直後不自然に近寄ってきた。
最近アイツ夜出かけない?変なとこない?みたいな、そんな質問
夜は最近買い物に行ってる、変なとこなんて別にないよ。
そう答えたら吹き出された >>8
別に見られても構わないってかぶっちゃ毛見てほしいですが
ネットは愚か機械音痴なのでほぼ見られる可能性はないです
変にストーキングされてなければの話ですが >>5
それでも毎日笑って幸せだったと胸を張って言えてたんです 「あいつ、不倫してるよ」
父から出た言葉は、声色は、あまりに真剣みがなくて、まるでゲームでも楽しんでるような口ぶりでした
理解できずは?と聞きなおしても、面倒くさいうざがらみで冗談めかして「何かあったら言えよ」と言って仕事に行ってしまいました
このときの私は、母による刷り込み効果でお父さんにきつく言われるお母さんかわいそうって思ってたのでまったくもって信用していませんでした
このときは他愛無い縁起でもない冗談で終わると思ってたのに、そんなこと微塵もなかった 兄弟が寝静まったある夜、真っ暗な中母に起こされました
話があるの、聞いて頂戴。ただし扉の音が聞こえたら中断して布団に潜ってそのまま寝ること
そう言って雑魚寝している布団で半身を起こし、1対1で話し始めました 内容は簡略化するとお父さん以外に好きな人がいてその人と幸せになりたい、
将来的に子供を考えているとのことだった
前半の前振りで二時間くらい喋ってた。知らんがなと思いつつも、涙が止まらなかった
その人との子供がほしいの、と縋られた。
ごめんね、ごめんねとしきりに懺悔する母に、私は肯定してしまった。
はっきり良いよとは言ってないけど、辛かったね、苦しかったね。
その件に関してはうまく言えないけど子供は嫌いではないし、その子自体に罪はないよって。
それが最初で最後の返事で、最大の間違いだった。
ごめんね、ありがとう、愛してると縋られた
扉の音と共にそれはお開きになった。
声を押し殺しながら呼吸を浅くし、気絶するように眠った それを皮切りに、夜な夜な懺悔大会が繰り広げられるようになった
毎晩毎晩起こされ、泣いて、泣かれて、扉の音がして眠る。
あれ以降下を向き下唇を噛みただ涙を流すだけしかしなくなった
でも母はあなたは分かってくれてる、ママがんばるからね、ごめんねとずっと縋られた
扉の音と共に突き飛ばされてそのまま眠る
そんな夜が続いた そんなある朝、立てなくなった。
正確には眩暈で起きれなくて、その旨は伝えず休みたいと言った
今考えると自律神経が乱れてたのかもしれない
熱は確実になかったから、測りたくないといった
そしたら怒鳴られ、布団を剥がれそうになった
怖くて布団にしがみ付いてたら、そのまま引きずられた
結局母が折れて、休ませてもらえることになった 高校生男子
ある日、一本の電話からすべては始まった♪
アホな息子に知られてしまった母ちゃん生涯最高のミステイク(´ー`)
悲しむタイプではなくネタにしてしまう最悪息子♪
※非道徳的な行いがダメな方はスルーして下さい( ^o^)
中傷はヤメテ下さい( ^o^)
タイトル
母さんの不倫を調査(・∀・)
著者
トマソン
モバゲー小説かエブリスタで探して読める 気づいたら二度寝していて、うっすら目が覚めたときにはなぜか母が枕元に座ってた
なにかブツブツと、1,2分唱えていた
怖すぎて寝た振りをしてやりすごした
そのまままた寝てて、気づいたら母はパートに行っていた 起きたら今度は父がいた。
なんだなんだ?サボりか?とふざけた調子で話しかけてきた
具合悪いのって言ってもまあサボりだろ?といいながら横に座った。
ちょうどよかったとそのまま要件を話し出した 例によって母の浮気の件についてだった
父と付き合う前に付き合ってた同い年の人らしい
結婚を考えるまで行ったけどその人が差別地域の出身らしく
母の親が結婚するなら縁切ると言ったため泣く泣く別れた間柄らしい
なぜか父は楽しげに話した
私の顔も見ず楽しげに話した
聞きたくないといっても、聞いてくれなかった そして父はおもむろに押入れを漁り始めた、押入れは母のテリトリーだった
なんかよう分からん手紙がでるわでるわ
ついには朗読までして笑い始めた
宝探しでもしているかのようなテンションの父に、私は黙るしかできなかった 仕事で遅くなるから
まずは帰宅、その後買い物に出てるよ
浮気もしてないけど、夜買い物に行くけど 不意に、扉の音がした
三十分前に出た筈の母が帰ってきた
押入れの一角を見つめて硬直した
そのまま何かブツブツ言いながら忘れ物を取って出ていった
父はそんな母を見て爆笑した
露骨過ぎるだろう、馬鹿だなって
少し言い方が寂しそうな気もしたけど
巻き込まないでくれ、勘弁してくれとしか思えなかった
寝たふりをしながら、また寝落ちた 今度は電話の音で目が覚めた
上京していた姉からだった
学校が辛いやめたいってぎゃん泣きしている内容だった
三日まともにご飯食べてない、と泣きついてきた
もういろいろ参ってしまい姉に相談しようかとも思ったけど
とても相談なんてできる状況じゃなかった
大丈夫だよ、お姉ちゃんならがんばれるよ。無理しないで、そう言った
ありがとう、そう言って電話が切れた
そのとき私はすでにご飯がまともに食えなくなって2週間は経ってた
お弁当もくうきに慣れなくて、捨てていた 気づいたらまた母がいた
お昼だから一度帰ってきたらしい
枕元で正座して、私に向かって何か問い続けていた
小さすぎて聞こえなかったけど、返答を求めてはないらしく、ブツブツ言っていた
怖すぎて息を止めるように寝なおした
誰にも助けてもらえないんだと、漠然とそうおもった この頃のSNSを遡ったら思いのほか詳細に記録してあって笑った
やっぱり辛い記憶ほど忘れていくんだな この日から母はさらにおかしくなった
明らかによそよそしくて情緒不安定になった
更に理不尽に怒られることが多くなった
弁当箱を投げつけられたり
携帯に付けてた友達にもらったキーホルダーを引きちぎられたり
夜中に話をされる時もやっぱりどこかよそよそしかった
母が作る弁当はいつもぎりぎりで
遅刻するからと逃げるように家を出ることも少なくなかった
中身はいった弁当で後頭部殴られた時は気絶するかとおもったな
一度自転車に乗ったけど転倒して、そのままヨロヨロ通学した日もあったっけ 一番怖かったのは弁当持ってがなかっただけで車で追いかけられたときだった
ルート変更してにげてもずっとずっと追ってきた
自転車で50分かかる道のりを20分で突っ切った
巻いたとおもって自転車小屋に止めたら、外に母が使ってる水色の車を見た
怖くて怖くて校舎内に駆け込んだ この頃から、手がしびれるようになった
最初は小指、人差し指だけだったけど次第に両手の感覚が極端に鈍くなった
そのせいで自転車のハンドルをうまく握れず手を滑らせこけたり
シャーペンをうまく持てず落としたりした
同時に突発性難聴を併発して、方耳ずつ聞こえづらくなってった
今も直ってない このときから、兄弟を守らなければと意識が強くなった
私と同じ目にあわせてはいけないと思うようになった
弟も妹も話があると言われ戻ってくると
弟は声を殺して泣き、妹はパニック気味に泣くようになった
私しか、まともなのは私しかいない
庇える部分は庇って、話を聞いてあげて。
今思い返すと母より思考になっていたのかもしれない それから母に良く
信じている、私は分かってるといわれるようになった
私は頭痛薬に依存するようになった
少し前に始めたコンビニでのバイト代で買っていた
1日1シート以上は飲んでいた
なんか、とても安心できた
しばらくバイトをした後母に通帳を見せてとせがまれた
見せたら、無駄図解しちゃだめよとにやりと笑っていた
きっと気づいてないけど、今まで見た中で一番醜い恍惚とした顔だった
取って食われるともおもった
通帳は鍵つきの引き出しのノートの間に隠した ある日、パソコンが欲しいと嘆いていたら
父が家電屋さんに見に行くか?と誘ってくれた
バイト代で買おうとしてたし、予算見たかったから喜んで応じた
放課後に一緒に見て回った
車に乗ってる間は不倫ネタばっかだけど、割と気は合うほうだったから普通に楽しかった
久しぶりに娯楽的なのに触れられて、たまには息抜きも良いかなって思えた 問題はその後
八時過ぎに父と帰宅した
ただいまと声をかけると、なぜか母に無視をされた
ものすごく冷たい、軽蔑するような目を向けられた
呼吸が止まるかと思った
どうして怒ってるんだろうと思ってたら
どこ行ってたの?と言われた
パパと電気屋さん行ってたよ、パソコン見たくて
そういったらギロリと音がしそうなほど睨まれた
なんで先にママに言わなかったの?と、微かに口だけ動かして聞いてきた
ママに声かけられてなかったら話すつもりだったよ
それに父親と放課後ウインドウショッピングするだけでそこまで言うこと?
そう答えたら食い気味に
そういうことじゃないでしょ?!と怒鳴られた
しばらくの沈黙の後、母はため息をついて私の横をすり抜けトイレに向かった
聞いたこともないような静かで冷たい声で、確かに裏切り者と言っていた
全身の血が凍るような衝撃だった
確かにな、とどこか納得した私は暗い寝室で
親指に歯を立て息を殺しながら瞬きもせず泣いた
あの日から、私はずっと裏切り者だ ある日、母の行動が変わった
バイト先に迎えに来るようになった
連絡もなしに、駐車場でポツリと待っていた
めったに見かけない水色のシエンタで
今まで送り迎自主的にしたことなんてなかったのに
違和感ありまくりで鳥肌が立った
気づかない振りをしながら何度も置いて帰った
ごめんね、気づかなかったよと笑って答えた
どうして先に帰ったの?と聞いてくる母の目は
昔見た埋めた金魚のように濁ってて
二人きりになったら駄目だと、理由もなくそう思った 何日かたった朝、不意に手にぬくもりを感じて目が覚めた
目を開けると、母が枕元で正座をしながら私の手を握っている光景が目に入った
理解ができなかった、呼吸ができなかった
どうして、どうして今まで叩く蹴る怒鳴るでしか起こさなかった人が
無言で枕元にいるのだろうか
どうして、にっこりと微笑んでいるんだろうか
その目は、私を見ていなかった
焦点が合わないまま、豆電球を背に微笑んでいた
私が何か話す前に、おはよぉと、甘ったるい声が聞こえた
紛れもない、母の声だった
えへへ、起きてくれたぁと、聞いたこともないような猫なで声で
歪んだ笑顔で
なにこれ、とようやく搾り出した声は掠れてよく聞こえなかった
そのあと何を聞いたかは覚えてない
トイレに駆け込んで必死に手に爪を立てた
耳をふさいだ
見るはずのない母の不倫現場を目撃した気分だった
この頃から遊びという概念が頭から抜け落ちた
明日生きることだけを、毎日考えていた この頃から、ノートやルーズリーフに何かとメモを残すようになった
こうした出来事ですら忘れてく自分の頭が怖くて怖くて仕方がなかった
探してみたら、筆圧の濃いところどころ破れたノートの切れ端が出てきて震えた
休み時間の度にノートに殴り書き、片手いっぱいに出した頭痛薬を飲み、手に爪を立てていたのを覚えてる
気を抜くと怖さで震えて歯が音を立てるんだ
また車で来ているかもしれない
私を殺す算段を立てているのかもしれない
兄弟は大丈夫だろうか
音が遠い
手の感覚がない
そんなありもしないことしか頭になかった
思い返すと相当気が滅入っていたんだとおもう
ここまで書いてドン引きした そんなことを考えながら日々をすごしていた
死にたいわけじゃなかった
でも、自分の中がどろどろに解けてく気がして
死にたくて、開放されたくて
弁当を捨てながら吐いて
謝ってを繰り返してた
食に興味を持たなくなった
貧血がデフォルトになった
自傷を考えた時期もあった
でも手首なんて目立つところにする勇気無かった
それを見つかるほうが何倍も怖かった
かみそりを買って、そのままトイレで開封して胸の間、みぞおちの上
心臓に一番近いあたりを勢いを付けてなぞった
ごめんなさいと、バツ印を付けた
そこから流れていく血が汚くて、私の中身が少しきれいになった気がしたんだ ある日のバイト上がり、強い雨が降ってた
相変わらずシエンタが止まっていた
私の自転車が見当たらなかった
どうやら車の中にご丁寧に片付けてくれたようで
半開きのトランクがこっちに口をあけていた
気づかなかったなんて言い訳は通用しないと悟った
車に乗る以外の選択肢なんて無かった ひとつ書き忘れがあったので追記
母が私のケータイを勝手に見てた
話題欲しさだったのかもしれないけれど、怖い以上に腹が立った
あなたが見るなら、私も見る権利あるでしょ?
そんな風に思って、入浴中の母の携帯を漁った
ロックはかかってなかった
死ぬほど、後悔した 内容は愛の言葉
不倫相手との愛のやりとり
通話履歴
私たち子供の話題
不倫相手はどうやら私のバイト先に来ていたらしい
母に似て可愛いそうだ
唯一の逃げ場だったバイト先すら、怖くなった
少し前が、私の誕生日だった
知りもしない母と繋がりを持つ男に
何度も何度も名前を呼ばれていた
全身の血が凍るようだった
こんな経験、人生に一度でもある可能性があっただろうか
のどの下を掻き毟り読み進めた
母の下の名前だけがびっちりと書かれたメールがあった
何かの形を作ったらしいが、ガラケーのため崩れていて
ただ並ぶよりも狂気的だった
父が相手は精神病だったって笑っていっていたのを思い出した
正気じゃなかった
気がついたら私はそれ関連のメールを自分のケータイに転送していた
送信履歴を消し、自分のケータイにロックをかけた
なぜか証拠を残さなければと、必死になっていた
直接問い詰められはしなかったけど
母はもっとおかしくなってって
うつろな目でどもることが多くなった 車に自転車が載せられたのは、この三日後ぐらいだった 来るまでの会話は覚えてない
下を向きずっと黙ってた
息を潜めて手に爪を立てた
そうでもしないと耐えられなかった
五分もせず家に駐車場に着いた
無視して降りようとしたら
小さい震えた声で一言、降りるなと言われた
金縛りにあったように動かなくなった私に、母はとうとう携帯のことを聞いた
本当のことを言った
そしたら他人のケータイを見るのはいけないことと、諭された
笑いが出た
先に見たのはどっちだと、鼻で笑って問い詰めた
私の中で、恐怖が怒りに変わった
そのまま勢いに任せて怒鳴り散らした
内容は覚えていない
母は二の句を次げなかった もう行くから
そんなことを言って車を出た
もういっぱいいっぱいだった
同じ屋根の下に同じタイミングで戻る気になれなくて
団地の階段を上って自宅である二階を通り過ぎ
四階でひざを抱えて丸くなった
母が寝たら帰ればいいや、鍵持ってるし
そんな軽い気持ちだった
これが、間違いだった もとより修復なんてできねえよ、なめてんのか
だからこんなとこ書き込んでんだよ しばらくして下から車の扉の音が聞こえた
階段を登音がした
扉が閉まる音がした
ようやく帰れると、そう思った
乱暴な扉の音が聞こえた
同時にコンクリの階段を駆け下りる音が聞こえた
きょとんとしていると、携帯が鳴り出した
マナーモードだったから、バイブ音だけだった
うっとおしくて、拒否した
でも鳴った、ずっと鳴り止まなかった 親も人間だから、女の業に落ちた、親の資格には欠けている1人の女性と割り切って関わるぐらいのドライさを持たないとアナタは前進出来ない メールが分単位で届いた
最初はどこにいるの、早く帰ってきなさい。そんな感じ
その次に懺悔、ごめんなさい
ママが悪かったの、怒ってないから帰ってきて
この後から文法がおかしくなった
見覚えがあった
あの男みたいな、ポエムじみたメール
手が震えた
歯が当たって音が止まらない
電話は鳴り止まない
着信が50件を越えた頃から表示されなくなった
涙は出るのに声が出なかった、出せなかった
もうやめて、そう口を動かしても息しか漏れなかった
最後に見たメールは、私の名前
どんなに下に文字送りしても、あふれんばかりの私の名前
高ぶっていた感情が一気に冷めた
耳から音が消えた四階のテラスの手すりに上り立ち上がった
離れた地面が、こんなにも魅力的に見えたのは初めてだった 立ちくらみで足を滑らせ、後ろに落ち背中を打ちつけた
痛みと同時に音が戻ってきた
バイブ音と、駆け回る音と、微かに落ちる涙の音
変な汗が全身からにじみ出た
一瞬でも死ぬことにためらいが無かった私に鳥肌が立った
血が滲むほど指をかんで悲鳴を殺した
逃げないと、捕まったら殺される
漠然と、そう思った 何度も何度も行き来する音が聞こえた後、車の音が聞こえた
発進を確認したあと、自転車に乗って飛び出した
反対方向に逃げた
車の音が、怖くて仕方が無かった
塀の影でやり過ごした
携帯の電源を切った
寒さと恐怖で息ができなかった
もう私には家が無いんだと思った
無意識に親友の家の前にいた
家の明かりと談笑する声が聞こえて
安心と嫉妬で舌を噛み潰した
もうぐちゃぐちゃで、折れてしまうかと思った
一度だけチャイムを鳴らして出てこなかったらあきらめよう
そう思ってチャイムを鳴らした
お父さんが出た
一晩だけ、泊めてくださいと、出てるかも分からない声を絞り出した
逃げ出そうともした
お父さんは、ちょっと待ってねと言って親友を連れてきた
どうしたの?と小首を傾げる中学以来の親友に、ごまかし笑いと涙がこぼれた
お母さんが来て、あらあら寒いでしょう、お風呂入る?と
変わらぬ笑顔で手招きしてくれた
やさしくてあったかくて、冷静な判断ができなくなって
泣き崩れてしまった
心の隅に湧く嫉妬が、暖かい家族への羨望が
死んでしまいたいほど醜かった 何があったの?どうしたの?と聞かれたけどうまく答えられなかった
察してくれたかは分からないけど、深く追求はされなかった
お母さんに連絡する?と聞かれて、反射的に拒否してしまった
切羽詰った声になってしまったのが分かった
今日は連絡してあげるからゆっくり休みなさいと、やさしく声をかけてくれた
電話のときは耳をふさいでた
いっつも日付けが変わる前に寝るはずの親友がずっと背中をなでてくれた
中学のころの、楽しかった話をしてくれた
気づいたら、震えが止まっていた
面白くってつい笑ったら、やっと笑ったねって、満面の笑みを向けてくれた
時間が戻ったみたいで、あったかすぎてまた涙が出た
すごくすごく、やさしい子
しつこく聞かれなかったことで、どれだけ救われたか
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