それは、気に入って今までつきあっていた人々と喧嘩をしろということではありません。知恵を絞ればなんとかなるのです。どうしても社会的な立場上つきあわなくてはならない状態にいるならば、きちんとわきまえてつきあうことです。精神的に影響を受けないようにすればいいのです。「社会的な立場では知人だが、心の善友とは違う」と決めるのです。それは自分のプライバシーをきちんと守るということです。心の清らかさ、心の平安こそ、守るべき自分のプライバシーなのです。

仏教を理解すると、しっかりと生きていられる技が身につきます。自分の身をちゃんと守ることができます。つい悪に誘惑されてしまうのは、自分の中にきちんとした理性を持っていないからです。正しい理性を持っているならば、そう簡単には誘惑されません。

それは頑固さではないのです。理性的に生きることです。優柔不断ではない、ということです。仏教的にいえば、「因果関係を理解して智慧に基づいて生きる」ということなのです。(この項つづく)