「ちなみに亜弥の手作りの夕食は?」
「私もドライバーさんもヒロシの電話で食べれないから、もう冷めてるし!」
「ドライバーさんはどうしてるの?」
「ずっと待ってくれてる」
「俺との話をドライバーさんに聞かれても大丈夫なの?」
「さあ?お店の寮に男を連れ込むのは禁止だから、ヒロシはもうこの部屋に入るの禁止なんじゃない?お店のスタッフにヒロシの存在がバレたから!この電話で!」
「もう別れるんだから丁度良いんじゃね?」
「そうだね。もうヒロシとは無理だね。」
「今までありがとう。」
「今更お礼を言われても?!私は別に何もしてないし?ヒロシは奥さんのところに帰りな。」
「わかった。元気でな。」
「じゃあね!」
ガチャ!プー!プー!プー!、、、電話を切った後の音が、人生の中でも有数に悲しく聞こえた瞬間だった。
白いミニバンのエンジンを始動して、俺は自宅に帰宅した。
心にぽっかりと穴が空いた様だった。