シチリア毒女とアラブ鬼男の不倫話
ある日、カルサ地区と呼ばれる町の入り組んだ路地裏を歩いていたアラブ人鬼男が、ある邸宅のバルコニーに現れた地中海のような青い目をした美しいシチリア毒女の美しさに目を奪われた。
アラブ鬼男は、思わず毒女に声をかけた。退屈していたシチリア毒女は、アラブ鬼男を家の中に招き入れ、熱心な求愛に感動し一晩を共にしてしまう。
すっかり恋に落ちた明け方に、アラブ鬼男からある告白を聞くことに…アラブ鬼男には妻子がいた。
ショックを受けたシチリア毒女は「このまま帰してはならぬ」と、彼の頭を切り落とした。夜が明けると、アラブ鬼男の頭はバルコニーに…その頭にはバジルが植えられていました。
それから毎日、毒女はアラブ鬼男のバジルを手入れをし見事な葉を何枚もつけていることに気づきます。
毒女はつぶやきます。「いつもアラブ鬼男と一緒。それに、もう独りでも退屈しないわ」
自慢の鉢をバルコニー下の通りからよく見えるように置くと、通りかかる人々が立ち止まって声をかけてくれるようになりました。